痛みの医療への社会的責任をはたすための認定特定非営利活動法人

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■Q&A


■心身の反応による痛みについて

 昨年、子宮頸がんワクチン接種後に生じた痛み症状に対して、厚労省副反応部会から、「心身の反応」という言葉がでてきました。一方、未だに医療者の間でも、心身の反応(機能性身体症状)という言葉への誤解が少なありません。
 心身症、あるいは心身の反応、機能性身体症状という用語が正しく理解されていないのが現状のようです

以下、厚労省が公開している資料の一部を参考にしています。


○ 心身の反応(機能性身体症状)は精神疾患ではなく、心因性疾患を指す用語でもありません。
 心身の反応(機能性身体症状)は、原因に心理的要因があると断定するものではなく、その症状の原因・経過に心理・社会的要因が影響しているものをさします。
 心身の反応(機能性身体症状)は、身体疾患ともとらえられています。身体の組織等に明らかな病理所見(正常でない組織)を呈する疾患を器質的疾患と呼びますが、このような組織異常が存在しない状態でも身体症状(身体の異常状態)を有するもので、あくまで、機能性疾患であるということが、他の一般の身体疾患とは異なると考えられます。

○ 器質的身体疾患と機能性身体疾患
 感染や炎症、あるいは血管障害、変性疾患、などで細胞、あるいは組織が破壊、あるいは変化を受けた結果、症状として現れる疾患を器質的疾患と呼びます。多くの身体疾患はこれに属すると考えられます。以前の理解では身体疾患はすべてこれに属すると考えられてきましたし、現在でもその考え方は根強く残っています。
 しかしながら、身体は心(精神心理状態)とお互いに影響を及ぼしあうことが理解され、心身症の概念が生まれました。現在では多くの疾患がこれに属すると考えられています。日本心身症学会によると循環器系、呼吸器系、消化器系、神経系等多くの疾患がこれに属すると考えられています。また全身の痛みを主訴とする疾患等もこれに含まれるとする考え方があります。
 心身症、あるいは、心身の反応による症状(疾患名のつかない症状群はこう呼ぶ)が全て機能性疾患というわけではなく、一部には器質的病変も含まれるため、いずれか一方、で理解できない疾患も多く含まれます。
 機能性のみの疾患の中には、起立性調節障害、自律神経失調症なども含まれ、緊張性頭痛なんかもここに含まれます。これで理解されるように、機能性病態だからといって、心の持ちようで治るわけでも、罹患するのは患者の責任というわけでもありません。